手元供養とは、ご自宅で遺骨を安置し供養することです。故人を常に身近に感じられるためこのような供養をされる方もおみえです。自宅といっても、墓地、埋葬に関する法律第二条五項で『この法律で「墓地」とは、墳墓を設けるために、墓地として都道府県知事の許可を受けた区域をいう』と定められていますので、自宅の庭などに遺骨を埋葬することは法律違反となりますのでできません。あくまで家屋の中でということになります。家の中に安置すると聞くと仏壇が必要では?と思われる方もおみえですが、特に仏壇がなくても問題ありません。最近では、インテリアにあう骨壺なども販売されているので、そうようなものを置くのもいいでしょう。また、お墓や納骨堂に安置される方のなかでも、分骨、粉骨しロケットペンダントに入れて供養する方もおみえです。
海外のお葬式
<アメリカ>
アメリカのお葬式で特徴的なのは、土葬が多いということでしょう。エンバーミングという処置を施され、腐敗などをふせぎます。
アメリカでは、香典などの習慣はなく、その代わりに教会にお花を送ります。
日本のお通夜の意味合いを持つビューイングがあります。日本では、お通夜のときは喪服で参加しますが、アメリカではそのような慣習はありません。
お葬式の後は、遺族との会食が明るい雰囲気の中で行われます。
<イギリス>
イギリスは、お亡くなりになってから10日たってから、葬儀が行われます。こちらも喪服を着る慣習がありません。
日本のお通夜にあたるものはありません。葬儀の後は、食事会が行われ、参列者たちが個人の思いでを語り合います。
<中国>
中国では、亡くなった後に「殯儀館」に送られます。ここで様々な手続きを行います。
中国のお葬式はとても派手でにぎやかです。銅鑼や爆竹を鳴らします。
中国には、泣き女というお葬式で真っ先に泣くという仕事があります。
中国も日本同様香典を渡す習慣があります。包む金額は奇数でなければいけません。
<韓国>
韓国の葬式の多くは、死後3日間にわたって行われる三日葬です。
韓国は日本と違い、つながりが薄くても葬儀に参列します。
服装は、日本と同じように黒のスーツなどです。
香典は、あります。金額的には、日本とあまり変わりありません。
こちらも通夜での振る舞いがあります。ジョンやナムル、キムチ、ユッケジャンなどが出されます。
<ドイツ>
ドイツでは、亡くなってから数日から数週間後に葬儀が行われます。
葬儀に出席するときの服装は、喪服ではなく暗めの色のカジュアルです。
ドイツでは、香典はありませんが白い花のリースやカードを持ってくる人が多いです。
<フランス>
フランスでは、お通夜はありません。お葬式は、亡くなられてから3~5日ぐらいで行われます。
フランスには香典の習慣はありません。供花は、アレンジメントフラワーです。
葬儀に出席するときは、喪服ではなくカジュアルな服装で大丈夫です。
フランスの葬儀は、教会で行われることが多いですが、火葬場で直接行われることもあります。
海外のお墓
【アメリカ】
アメリカのお墓は、よく映画で見るような平板の上に十字架があるものや十字架が墓石に刻まれているものなどがあります。
色は、白が多いです。日本のグレーや黒の墓石とは正反対ですね。
キリスト教圏の墓石には、故人の名前、お亡くなりになった日のほかに、人柄、実績なども刻まれることがあります。
日本のように親族が同じお墓に入るのではなく、一人だけ入る個人墓です。
日本とちがい火葬ではなく、土葬が多いです。これは、アメリカ人はキリスト教信者が多くキリスト教は基本土葬だからです。
お葬式は、斎場などではなく、墓地の前で行われます。
【イギリス】
イギリスのお墓も十字架がたっているものが多いです。イギリスでは、ほとんど散骨か墓地埋葬を選択します。
イギリスはアメリカと違い、土葬より火葬が多いです。
墓地は、市営墓地をリース契約するか、教会が管理する墓地を購入するかどちらかです。
ガーデニングが盛んなイギリスなので、最近では樹木葬も人気がでてきてます。
イギリスには、観光名所の墓地もあります。
【中国】
中国のお墓は、亀の甲羅の形をしたものがあるそうです。
中国は、個人墓、夫婦墓が基本です。
【韓国】
韓国のお墓は、土葬で、土饅頭といわれる丸い盛り上がった土の形のお墓でした。
お墓の前には、祭祀の料理を並べる石の台があります。
最近では、火葬後、ロッカー式の納骨堂などに納骨スルスタイルが増えてきています。
こちらでも、樹木葬などの自然葬の人気も高まってきています。
【インド】
インドのお葬式は、水葬で行われてます。なので、霊園やお墓がほとんどありません。
火葬して遺灰を聖なる川・ガンジス川に流します。
宗派とお墓
【天台宗】
天台宗は、延暦25年(806)に伝教大師最澄によって開かれた宗派です。
お墓に刻む文字は、「〇〇家先祖代々之墓」「南無阿弥陀仏」「南無釈迦牟尼佛」「梵字〇〇家之墓」などです。
梵字とは、大日如来をあらわす「ア」、釈迦如来をあらわす「バク」、阿弥陀如来をあらわす「キリーク」をいいます。
【真言宗】
真言宗とは、空海(弘法大師)を開祖とする宗派です。「即身成仏」を説いています。
お墓に刻む文字は、「〇〇家之墓」「〇〇家先祖代々(之墓)」※「南無大師遍照金剛」などです。
※弘法大師の名前を刻むこともあります。
【浄土宗】
浄土宗は、南無阿弥陀仏の宗派です。宗祖は、法然上人(源空)です。
お墓に刻む文字は、「南無阿弥陀仏」、「俱会一処」などです。
【浄土真宗】
浄土真宗は、鎌倉仏教の一つであり、鎌倉初期の僧である親鸞が師である法然のよって明らかにされた浄土往生を説く真実の教えを継承し展開させたものです。
お墓に刻む文字は、「南無阿弥陀仏」、「倶会一処」、「〇〇家先祖代々之墓」、「〇〇家累代」などがあります。
【禅宗】
禅宗は、座禅のよって悟りを開こうとする宗派の総称で、日本では「臨済宗」、「曹洞宗」、「黄檗宗」が禅宗のあたります。
お墓に刻む文字は、「〇〇家先祖代々」、「〇〇家先祖累代」、「南無釈迦牟尼仏」などがあります。
【日蓮宗】
日蓮宗とは、日蓮(日蓮上人)が説いた宗派です。お釈迦様が説かれた教え、妙法蓮華経を何より大切にしています。
お墓に刻む文字は、「南無妙法蓮華経」、「妙法〇〇家先祖代々之墓」などがあります。
樹木葬
樹木葬とは、一般的なお墓の墓石のかわりにシンボルツリーを植えるものです。
その下に遺骨を納めます。
散骨とは違い、法律上認められた墓地になります。
シンボルツリー1本に1つの区画だけの単独墓、数体から数十体の遺骨を埋葬する集合墓、骨袋に遺骨を入れ埋葬する合葬墓があります。
ひとつ気を付けたい点は、山林などにつくられた樹木葬墓は、大雨等でお墓ごと流されてしまう危険もあるので事前調査が必要です。
海洋散骨
海洋散骨とは、遺骨をお墓や納骨堂に納めるのではなく、海にまく自然葬のことを言います。
「海洋葬」とも呼ばれています。
遺骨は、パウダー状にしてから散骨します。
法律的には、きちんと定められているものではありません。
各自治体の条例で定められている場合もありますので散骨をしようとお考えの方は、ご確認ください。
「自然に帰りたい!」そんな自然派志向の方が望まれる弔い方です。
改葬に必要な書類
改葬許可申請書
各市町村に提出する書類です。
各市町村のHPからダウンロードできるところもあります。
【愛知県】
一宮市
瀬戸市
犬山市
江南市
稲沢市
岩倉市
清須市
長久手市
豊山町
大口町
扶桑町
愛西市
弥富市
大治町
飛島村
南知多町
武豊町
知立市
高浜市
蒲郡市
設楽町
豊根村
受入証明書
引っ越し先の墓地・納骨堂を使用できることを証明する書類です。
改葬許可申請書に添付して市町村に提出します。
埋蔵証明書
現在の墓地に故人が埋蔵されていることを証明する書類です。
これも改葬許可申請書に添付して市町村に提出します。
墓地、埋葬等に関する法律
第一章 総則
第一条 この法律は、墓地、納骨堂又は火葬場の管理及び埋葬等が、国民の宗教的感情に適合し、且つ公衆衛生その他公共の福祉の見地から、支障なく行われることを目的とする。
第二条 この法律で「埋葬」とは、死体(妊娠四箇月以上の死胎を含む。以下同じ。)を土中に葬ることをいう。
2 この法律で「火葬」とは、死体を葬るために、これを焼くことをいう。
3 この法律で「改葬」とは、埋葬した死体を他の墳墓に移し、又は埋蔵し、若しくは収蔵した焼骨を、他の墳墓又は納骨堂に移すことをいう。
4 この法律で「墳墓」とは、死体を埋葬し、又は焼骨を埋蔵する施設をいう。
5 この法律で「墓地」とは、墳墓を設けるために、墓地として都道府県知事(市又は特別区にあっては、市長又は区長。以下同じ。)の許可を受けた区域をいう。
6 この法律で「納骨堂」とは、他人の委託をうけて焼骨を収蔵するために、納骨堂として都道府県知事の許可を受けた施設をいう。
7 この法律で「火葬場」とは、火葬を行うために、火葬場として都道府県知事の許可をうけた施設をいう。
第二章 埋葬、火葬及び改葬
第三条 埋葬または火葬は、他の法令に別段の定があるものを除く外、死亡又は死産後二十四時間を経過した後でなければ、これを行ってはならない。但し、妊娠七箇月に満たない死産のときは、この限りでない。
第四条 埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行ってはならない。
2 火葬は、火葬場以外の施設でこれを行ってはならない。
第五条 埋葬、火葬又は改葬を行おうとする者は、厚生労働省令で定めるところにより市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)の許可を受けなければならない。
2 前項の許可は、埋葬及び火葬に係るものにあっては死亡若しくは死産の届出を受理し、死亡の報告若しくは死産の通知を受け、又は船舶の船長から死亡若しくは死産に関する航海日誌の謄本の送付を受けた市町村長が、改葬に係るものにあっては死体または焼骨の現に存する地の市町村長が行うものとする。
第六条及び第七条 削除
第八条 市町村長が、第五条の規定により、埋葬、改葬又は火葬の許可を与えると気は、埋葬許可証、改葬許可証または火葬許可証を交付しなければならない。
第九条 死体の埋葬又は火葬を行う者がないとき又は判明しないときは、死亡地の市町村長が、これを行わなければならない。
2 前項の規定により埋葬又は火葬を行ったときは、その費用に関しては、行旅病人及び行旅死亡人取扱法(明治三十二年法律第九十三号)の規定を準用する。
第三章 墓地、納骨堂及び火葬場
第十条 墓地、納骨堂又は火葬場を経営しようとする者は、都道府県知事の許可を受けなければならない。
2 前項の規定により設けた墓地の区域又は納骨堂若しくは火葬場の施設を変更し、又は墓地、納骨堂若しくは火葬場を廃止しようとする者も、同様とする。
第十一条 都市計画事業として施行する墓地又は火葬場の新設、変更又は廃止については、都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第五十九条の認可又は承認をもって、前条の許可があったものとみなす。
2 土地区画整理法(昭和二十九年法律第百十九号)の規定による土地区画整理事業又は大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法(昭和五十年法律第六十七号)の規定による住宅街区整備事業の施行により、墓地の新設、変更又は廃止を行う場合は、前項の規定に該当する場合を除き、事業計画の認可をもって、前条の許可があったものとみなす。
第十二条 墓地、納骨堂又は火葬場の経営者は、管理者を置き、管理者の本籍、住所及び氏名を、墓地、納骨堂又は火葬場所在地の市町村長に届け出なければならない。
第十三条 墓地、納骨堂又は火葬場の管理者は、埋葬、埋蔵、収蔵又は火葬の求めを受けたときは、正当の理由がなければこれを拒んではならない。
第十四条 墓地の管理者は、第八条の規定による埋葬許可証、改葬許可証又は火葬許可証を受理した後でなければ、埋葬又は焼骨の埋蔵をさせてはならない。
2 納骨堂の管理者は、第八条の規定による火葬許可証又は改葬許可証を受理したあとでなければ、焼骨を収蔵してはならない。
3 火葬場の管理者は、第八条の規定による火葬許可証又は改葬許可証を受理した後でなければ、火葬を行ってはならない。
第十五条 墓地、納骨堂又は火葬場の管理者は、省令の定めるところにより、図面、帳簿又は書類等を備えなければならない。
2 前項の管理者は、墓地使用者、焼骨収蔵委託者、火葬を求めた者その他死者に関係ある者の請求があったときは、前項に規定する図面、帳簿又は書類等の閲覧を拒んではならない。
第十六条 墓地又は納骨堂の管理者は、埋蔵証明書、火葬証明書又は改葬許可証を受理した日から、五箇年間これを保存しなければならない。
2 火葬場の管理者が火葬を行ったときは、火葬許可証に、省令の定める事項を記入し、火葬を求めた者に返さなければならない。
第十七条 墓地又は火葬場の管理者は、毎月五日までに、その前月中の埋葬又は火葬の状況を、墓地又は火葬場所在地の市町村長に報告しなければならない。
第十八条 都道府県知事は、必要があると認めるときは、当該職員に、火葬場に立ち入り、その施設、帳簿、書類その他の物件を検査させ、又は墓地、納骨堂若しくは火葬場の管理者から必要な報告を求めることができる。
2 当該職員が前項の規定により立入検査をする場合においては、その身分を示す証票を携帯し、且つ関係人の請求があるときは、これを提示しなければならない。
第十九条 都道府県知事は、公衆衛生その他公共の福祉の見地から必要があると認めるときは、墓地、納骨堂若しくは火葬場の施設の整備改善、又はその全部若しくは一部の使用の制限若しくは禁止を命じ、又は第十条の規定による許可を取り消すことができる。
第四章 罰則
第二十条 左の各号の一に該当する者は、これを六箇月以下の懲役又は五千円以下の罰金に処する。
一 第十条の規定に違反した者
二 第十九条に規定する命令に違反した者
第二十一条 左の各号の一に該当する者は、これを千円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
一 第三条、第四条、第五条第一項又は第十二条から第十七条までの規定に違反した者
二 第十八条の規定による当該職員の立入検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者、又は同 条の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をした者
第二十二条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前二条の違反行為をしたときは、行為者を罰する外、その法人又は人に対しても各本条の罰金刑を科する。
閉眼供養
お墓から遺骨を取り出す前に、菩提寺の僧侶に閉眼法要を行ってもらいます。
墓石撤去
閉眼供養で御魂抜きをしてから、遺骨を取り出し墓石の撤去をしていきます。
改葬許可の申請
お墓のある市町村の役所に、改葬許可申請書を受入証明書と埋蔵証明書とともに提出し、改葬許可証を発行してもらいます。
受入証明書は引っ越し先のお墓・納骨堂で発行してもらいます。
埋蔵証明書は、故人が埋葬されていることを証明する書面で墓地管理者に発行してもらいます。
※ 名古屋市の場合は、死亡者の氏名、住所、火葬の場所、日時等がわからないときは、不詳と記入します。また、氏名が不明で戒名がわかるときは、戒名を記入します。各自治体で異なる場合もあるので、各自治体で確認をとりましょう。